ソラタ
私も最初ここで混乱しました。「SfMとは?」ここ、意外と説明が少なくて困りました。
この記事の要点
SfM(Structure from Motion)とは、複数の写真から三次元モデルを自動生成する技術。ドローンで撮影した重複写真群をSfMソフトで処理することで、点群データ・DSM・オルソ画像を生成できる。
GCP(グラウンドコントロールポイント)と組み合わせることで測量精度が向上する。使用ソフトの例はAgisoft MetashapeやPix4Dなど。
ドローン測量の核心技術の一つがSfM(Structure from Motion:動きから構造を復元する技術)です。複数の視点から撮影した写真を専用ソフトウェアに読み込ませると、写真間の共通特徴点を自動的に検出して三次元モデルを構築できます。
SfMを使えば、ドローンで広大なエリアを撮影するだけで点群データ・DSM(数値表層モデル)・オルソ画像(真上から見た正射影画像)などの測量成果が得られます。従来の地上測量と比べて広域を短時間・低コストで処理できる点が大きな特徴です。
簡単に言えば、SfMは「大量の写真からレゴブロックのように3Dモデルを組み立てる技術」です。人が歩きながら写真を撮るよりも、ドローンが高空から格子状に飛んで撮影することで、より正確で広範囲な3Dモデルが作れます。
SfMは、複数の異なる視点から撮影した写真群に含まれる共通の特徴点を検出し、カメラの位置・向きと対象物の三次元座標を同時に推定する技術です。
| 処理ステップ | 内容 |
|---|---|
| ①特徴点検出 | 各写真から特徴的なパターン(角・エッジ等)を検出 |
| ②特徴点マッチング | 複数の写真間で共通する特徴点を対応付け |
| ③カメラ位置推定 | 特徴点の対応関係からカメラの位置・向きを推定 |
| ④疎な点群生成 | 特徴点の三次元座標を計算して疎な点群を生成 |
| ⑤密な点群生成 | MVS(多視点ステレオ)処理で密な点群を生成 |
| ⑥各種成果生成 | 点群からDSM・オルソ画像・3Dメッシュ等を生成 |
SfMはかつて高度な専門知識が必要でしたが、現在ではGUIベースの専用ソフトが整備されており、比較的容易に処理できるようになっています。
ドローン測量でのSfM処理と自動飛行の組み合わせは、教則第4版(下図)でも示されています。
ドローン測量でSfMを活用する際の全体の流れは以下のとおりです。
| 工程 | 内容 |
|---|---|
| ①飛行計画 | 重複率・飛行高度・撮影ルートを設定 |
| ②GCP設置(必要時) | 地上に基準点を設置し、GNSSで座標取得 |
| ③ドローン飛行・撮影 | 自動飛行で格子状に撮影 |
| ④写真データの取得 | 撮影写真(数百〜数千枚)をPCに取り込み |
| ⑤SfM処理 | 専用ソフト(Metashape・Pix4D等)で処理 |
| ⑥成果物の生成・確認 | 点群・DSM・オルソ画像等を生成し精度確認 |
SfMの精度と品質は撮影写真の重複率に大きく依存します。
| 重複率の種類 | 方向 | 設定の目安 |
|---|---|---|
| オーバーラップ(前後重複率) | 飛行方向に対して前後の写真の重なり具合 | 80〜90%程度が一般的 |
| サイドラップ(左右重複率) | 隣り合う飛行ライン間の写真の重なり具合 | 70〜80%程度が一般的 |
重複率が低すぎると特徴点のマッチングが失敗し、欠損部分(ホール)が生じたり、精度が低下したりします。重複率が高いほど精度は向上しますが、撮影枚数と処理時間が増加します。
i-Construction対応の測量では重複率の基準が定められている場合があります(詳細は国土交通省等の最新情報でご確認ください)。
SfM処理後に生成される主なデータは以下のとおりです。
| データの種類 | 内容・用途 |
|---|---|
| 点群データ(Point Cloud) | 三次元座標を持つ点の集合。地形把握・体積計算等に使用 |
| DSM(数値表層モデル) | 地表面・建物・植生を含む標高モデル |
| DTM(数値地形モデル) | 建物・植生を除いた地表面の標高モデル(地盤高) |
| オルソ画像 | 歪みを補正した真上から見た正射影画像。計測・面積算出に使用 |
| 3Dメッシュ | 三次元ポリゴンモデル。ビジュアライゼーション・BIM/CIMへの活用 |
SfM処理のみでは、写真の座標情報(カメラGPS)に基づいた相対的な精度しか確保できません。地上にGCP(Ground Control Point:グラウンドコントロールポイント)を設置してGNSSで座標を取得し、SfM処理に組み込むことで、絶対精度(実際の地上座標系との一致精度)が大幅に向上します。
RTK(リアルタイムキネマティック)測位に対応したドローンを使用する場合、GCPの必要数を大幅に減らすことができます(詳細は国土交通省等の最新情報でご確認ください)。
学科試験では「SfMとLiDARの違い」が問われる場合があります。SfMは写真(可視光)から点群を生成するのに対し、LiDARはレーザー照射の反射時間から点群を生成します。
また「オーバーラップとサイドラップの方向の違い(前後vs左右)」も混同しやすいポイントです。
混同しやすい用語
SfM(Structure from Motion):複数の写真から特徴点を検出・マッチングして三次元モデルを生成する技術。可視光写真を使用。
天候・照明条件に影響される。
LiDAR(ライダー):レーザーパルスを照射し、反射時間から三次元点群を生成するセンサー技術。暗所・植生下でも点群取得が可能。
機器コストはSfMより高い。
Q1. SfM(Structure from Motion)とは何か?
A1. 複数の異なる視点から撮影した写真の特徴点を検出・マッチングし、三次元モデルを自動生成する技術。
Q2. ドローン測量でのオーバーラップとサイドラップの違いは何か?
A2. オーバーラップは飛行方向(前後)の写真の重なり、サイドラップは隣接する飛行ライン間(左右)の重なりを指す。
Q3. SfMとLiDARの最大の違いは何か?
A3. SfMは可視光写真から点群を生成するのに対し、LiDARはレーザー照射の反射時間から点群を生成する。
SfM(Structure from Motion)はドローンで撮影した大量の写真から自動的に三次元モデルを生成する技術です。飛行→撮影→SfM処理→点群・DSM・オルソ画像の生成という流れで測量成果が得られます。
高い重複率(オーバーラップ80〜90%、サイドラップ70〜80%)の確保が精度向上の基本です。GCPと組み合わせることで絶対精度が向上し、i-ConstructionでのICT活用測量にも広く使われています。
LiDARとの違いは「写真から生成するかレーザーから生成するか」という点です。
参考資料
・測量法(昭和24年法律第188号)
・i-Construction(国土交通省)
・無人航空機の飛行の安全に関する教則(国土交通省 第4版)
※ この記事の制度確認日:2026年5月
学科試験対策|管理人の一言
「SfMは写真から3Dモデルを生成する技術」という基本定義と、「重複率(オーバーラップ・サイドラップ)が高いほど精度が向上する」という関係を押さえてください。SfMで生成されるデータの種類(点群・DSM・オルソ画像)の名前と意味も確認しておきましょう。
「SfMとLiDARの違いは写真かレーザーか」というシンプルな対比も試験に出やすい内容です。