ソラタ
「電波って障害物があると届かなくなる?ドローンの操縦範囲に関係する?」電波の伝わり方と見通しの関係を整理します。
この記事の要点
電波は直進する性質を持ち、周波数が高いほど直進性が強く障害物に弱くなります。2.4GHzは5.8GHzよりも回折しやすく障害物を比較的回り込みます。
金属・建物による反射はマルチパスの原因になります。
電波は光と同様に電磁波の一種です。ドローンの操縦・映像伝送・GNSSに使われる電波には以下の基本的な性質があります。
| 性質 | 説明 |
|---|---|
| 直進性 | 電波は基本的に直進する。障害物があると遮蔽される |
| 反射 | 金属・建物の壁面などに当たると反射する(鏡に光が反射するのと同様) |
| 回折 | 障害物の端を回り込む。波長が長いほど回折しやすい |
| 吸収・減衰 | 物体を透過するとき電波のエネルギーが吸収されて弱くなる。水分(雨・葉)は吸収しやすい |
周波数が高いほど波長が短くなり、直進性が高く障害物に弱くなります。周波数が低いほど波長が長く回折しやすく障害物を回り込む能力が高くなります。
| 周波数帯 | 波長 | 主な特性 |
|---|---|---|
| 低周波(長波・中波) | 長い | 回折しやすく遠くまで届く。建物を回り込みやすい |
| 2.4GHz帯 | 約12cm | 比較的回折しやすい。障害物を比較的通り抜けやすい |
| 5.8GHz帯 | 約5cm | 直進性が高く障害物に弱い |
| ミリ波(24GHz以上) | 短い | 直進性が非常に高い。雨や霧にも吸収される |
電波の特性(直進・反射・屈折・回折・干渉・減衰)と周波数の関係については、無人航空機の飛行の安全に関する教則(下図)で示されています。
| 現象 | 状況 |
|---|---|
| 電波の遮蔽 | 建物・山・大型構造物が送信機と機体の間に入ると電波が届きにくくなる |
| 電波の反射 | 金属面や建物の壁で反射した電波がマルチパス誤差を生じさせる |
| 電波の回折 | 障害物の陰でも若干の電波が回り込むが、2.4GHz・5.8GHzではその効果は限定的 |
GNSSに使われるL1波(約1.5GHz)は比較的波長が短く直進性が高いため、建物・山による遮蔽やマルチパスの影響を受けやすいです。これが都市部や谷間でGNSS精度が落ちる原因です。
混同しやすい用語
直進性:電波が直線的に進む性質。周波数が高いほど強い。
反射:電波が金属・壁などに当たって跳ね返る現象。マルチパスの原因になる。
回折:電波が障害物の端を回り込む現象。波長が長い(周波数が低い)ほど起きやすい。
減衰:電波が物体を透過するときエネルギーが弱くなる現象。距離が離れるほど・障害物を通るほど弱くなる。
Q1. 周波数が高くなるにつれて電波の直進性はどう変わるか。
A1. 直進性が高くなる(障害物に弱くなる)。周波数が高いほど波長が短い。
Q2. 電波の回折とはどのような現象か。
A2. 電波が障害物の端を回り込む現象。波長が長い(周波数が低い)ほど起きやすい。
Q3. ドローンの操縦電波が建物の裏側まで届きにくい理由を答えよ。
A3. 2.4GHz・5.8GHz帯は回折が限定的なため、建物が遮蔽物になると電波が届きにくくなる。
電波は直進・反射・回折・減衰という性質を持ちます。周波数が高いほど直進性が強く障害物に弱くなります。
2.4GHzは5.8GHzより回折しやすく障害物に強い一方、反射によるマルチパスは両帯域で問題になります。電波の基本性質を理解することでドローンの通信問題の原因分析に役立ちます。
参考資料
・電波法(昭和25年法律第131号)
・無人航空機の飛行の安全に関する教則(国土交通省 第4版)
・総務省 電波利用ホームページ
※ この記事の制度確認日:2026年5月
学科試験対策|管理人の一言
「周波数が高い→波長が短い→直進性が強い→障害物に弱い」という流れが電波の基本です。2.4GHzは5.8GHzより回折しやすく障害物に強い、という2つの周波数帯の比較と組み合わせて覚えると問題に対応しやすくなります。