初心者が学ぶ無人航空機

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ドローン保険とは?賠償責任保険と機体保険の違いを整理

ソラタ

「ドローン飛行に保険って義務なの?何に対する保険が必要?」賠償責任保険の必要性と種類を整理します。

この記事の要点

ドローンの保険には大きく「賠償責任保険(対人・対物の損害を補償)」と「機体保険(機体自体の損傷・紛失を補償)」の2種類があります。

業務利用・公共の場での飛行では賠償責任保険への加入が強く推奨されます。補償内容・利用目的・保険金額を確認したうえで適切な保険を選びましょう。

保険の内容は商品ごとに異なるため、詳細は各保険会社の最新情報でご確認ください。

ドローンが墜落して第三者にケガをさせた場合や、他人の車・建物を傷つけた場合、その損害は多額になることがあります。ドローン運航者は「飛ばす前に保険を確認する」習慣を持つことが重要です。

保険があるから安心して飛ばせるわけではなく、あくまでも事故が起きた場合の損害を補填するためのリスク対策の一つです。飛行前点検・リスク評価・安全確認という予防が最優先であることは変わりません。

一言でいうと、ドローン保険は「他人を傷つけたときのお金の備え(賠償責任保険)」と「自分の機体が壊れたときのお金の備え(機体保険)」の2本柱です。

ドローン保険の2種類

賠償責任保険とは

賠償責任保険は、ドローンの飛行によって第三者に損害を与えた場合の損害賠償を補償する保険です。対人(人へのケガ・死亡)と対物(物への損傷)を対象とします。

補償の対象具体例
対人(人身損害)墜落した機体が通行人に当たってケガをさせた。墜落による第三者の死傷
対物(財物損害)墜落した機体が車・建物・施設に当たって損傷させた。農作物への被害

業務でドローンを使用する場合、地主・施設管理者・発注者から賠償責任保険への加入を求められることがあります。個人の趣味利用であっても、公共の場での飛行では加入が強く推奨されます。

機体保険とは

機体保険は、ドローンの機体そのものが損傷・墜落・盗難等の被害を受けた場合に補償する保険です。

補償の対象具体例
墜落・衝突による機体損傷飛行中に障害物に衝突して機体が破損した
水没・浸水による損傷飛行中に海・川・池に落下して水没した
盗難保管中に機体が盗まれた
自然災害による損傷台風・落雷等による機体の損傷(補償内容は商品によって異なる)

機体保険の補償範囲・条件は商品ごとに大きく異なります。特に「操縦ミスによる墜落が補償対象かどうか」「修理費の上限はいくらか」等を確認することが重要です。

詳細は各保険会社の約款でご確認ください。

飛行業務保険と趣味利用保険の違い

ドローン保険は利用目的によって「業務用」と「趣味用(個人用)」に分かれることがあります。業務利用なのに趣味用保険に加入していると、事故発生時に補償が受けられない可能性があります。

区分対象主な特徴
業務用保険報酬を受けて行う飛行作業補償額が大きい傾向。業務中の損害に対応。法人向けの商品が多い
趣味用(個人用)保険営利目的ではない個人の飛行業務用より保険料が安い傾向。業務利用には適用外の場合が多い

自分の飛行が業務利用か趣味利用かを正確に判断し、適切な保険を選んでください。判断に迷う場合は保険会社に直接確認することを推奨します。

保険が必要な理由

ドローン事故による損害は、小さなものから非常に高額なものまで様々です。

  • 高所からの落下による衝撃は、小型ドローンでも第三者への身体的ダメージが大きくなり得る
  • 建物・車・工場設備等の高額な財物への損傷は修理費が数十万〜数百万円以上になることがある
  • 人身事故では入院治療費・後遺障害補償・逸失利益等が高額になり得る
  • 業務停止・営業損害などの間接損害が生じることもある

保険なしで事故を起こした場合、個人では対応できない規模の損害賠償請求を受けるリスクがあります。

操縦者は飛行開始から終了まで全責任を負うという原則については、無人航空機の飛行の安全に関する教則(下図)で示されています。

社会に対する操縦者の責任(国土交通省 無人航空機の飛行の安全に関する教則 第4版 p.3):操縦者は飛行開始から終了まで全責任を負う
出所:国土交通省「無人航空機の飛行の安全に関する教則 第4版」(2026年2月)p.3 操縦者の責任:操縦者は飛行を開始してから終了するまで全てに責任を問われる。第三者や物件への損害が発生した場合は民事上の賠償責任が生じる。賠償責任保険への加入は義務ではないが、万が一の事故に備えて加入が強く推奨される。

保険加入の確認タイミング

以下のタイミングで保険の確認・加入を行うことが推奨されます。

  • 機体購入時:どのような保険オプションがあるか確認する
  • 飛行許可申請時:国土交通省への飛行許可申請では保険加入状況を確認される場合がある
  • 業務受注時:発注者・地主から保険証書の提出を求められる場合がある
  • 飛行開始前:保険の有効期間・補償内容が飛行条件に合っているか確認する

主な保険の種類の概要

個人向け・法人向けにさまざまなドローン保険商品があります。主な分類として以下があります。

詳細は各保険会社の最新情報でご確認ください。

保険の種類主な対象者特徴
個人向けドローン保険趣味でドローンを飛ばす個人比較的安価。賠償責任・機体のセット型が多い
業務用ドローン保険業務でドローンを活用する事業者補償額が大きい。業務中の損害に対応。法人向け
ドローン団体保険ドローン関連団体・協会の会員団体加入で割安になることがある
損害保険への特約追加既存の損害保険(火災保険・傷害保険等)の加入者既存保険に特約として追加できる場合がある

学科試験で混同しやすいポイント

賠償責任保険と機体保険の補償対象の違いは試験でよく問われます。賠償責任保険は「第三者への損害」、機体保険は「自機の損傷」が対象です。

また、業務利用と趣味利用で適用される保険が異なる点も確認しておきましょう。

混同しやすい用語

賠償責任保険:ドローンの飛行によって第三者(他人)に損害を与えた場合の損害賠償を補償する保険。対人・対物が対象。

「他人への損害」を補償する。

機体保険:ドローンの機体そのものの損傷・墜落・盗難等を補償する保険。「自分の機体の損傷」を補償する。

第三者への損害は補償しない。

学科試験対策|管理人の一言

「賠償責任保険=他人への損害」「機体保険=自機の損傷」という対比を最優先で覚えましょう。業務利用では業務用保険が必要で、趣味用保険では対応できない場合がある点も押さえておきましょう。

保険は事故後の損害を補填するものであって、安全確認の代替にはなりません。

一問一答

Q1. 賠償責任保険が補償する内容を答えよ。

A1. ドローンの飛行によって第三者(他人)に与えた損害を補償する保険。対人(人身損害)と対物(財物損害)が補償対象。

Q2. 機体保険と賠償責任保険の補償対象の違いを答えよ。

A2. 機体保険は「自分のドローン機体の損傷・墜落・盗難等」が補償対象。賠償責任保険は「第三者(他人)への対人・対物損害」が補償対象。

Q3. 業務用ドローン保険が必要になる理由を答えよ。

A3. 趣味用保険は業務利用(報酬を受けての飛行)に対応していない場合が多く、業務中の事故では補償が受けられない可能性があるため。業務利用には業務用保険への加入が必要。

まとめ

ドローン保険には「賠償責任保険(第三者への損害補償)」と「機体保険(自機の損傷補償)」の2種類があります。業務利用では業務用保険が必要で、補償範囲・保険金額・適用条件を事前に確認することが重要です。

保険は事後の損害対応であり、安全な飛行の前提として飛行前点検・リスク評価を確実に行うことが最優先です。詳細な補償内容は各保険会社の最新情報でご確認ください。

関連記事:ハザードとリスクの考え方 事故報告制度とは

参考資料

・無人航空機の飛行の安全に関する教則(国土交通省 第4版)

・航空法(昭和27年法律第231号)

・国土交通省 無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール

この記事を書いた人

ソラタ

30代。二等無人航空機操縦士の技能証明取得を目指して勉強中。学科試験で詰まったポイントを整理してお伝えします。