初心者が学ぶ無人航空機

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気温と高度の関係とは?気温逓減率・断熱減率をわかりやすく解説

ソラタ

「高いところに飛んでいくと気温が下がってバッテリーが弱くなる?」高度と気温・大気密度の関係とドローン性能への影響を整理します。

この記事の要点

対流圏では高度が100m上がるごとに気温は約0.65℃下がります(気温逓減率)。この関係は密度高度や大気の安定性・不安定性を理解する土台になります。

乾燥断熱減率(100mあたり約1℃低下)と湿潤断熱減率(同約0.5〜0.6℃)の違いも学科試験で問われます。

対流圏における気温と高度の関係

地球の大気は高度によっていくつかの層に分かれています。ドローンが飛行する高度(地表から数百m)は対流圏に属し、この層では高度が上がるにつれて気温が低下します。

高度帯気温の変化
対流圏(地表〜約11km)高度100mごとに約0.65℃低下(気温逓減率)
成層圏(約11km〜50km)高度が上がっても気温はほぼ一定または上昇

ドローン飛行の範囲では「高度が上がると寒くなる」と覚えておけば問題ありません。

気温逓減率とは

気温逓減率とは、大気が静止した状態で高度が上がるにつれて気温が低下する割合のことです。標準大気では100mあたり約0.65℃の低下です。

気温逓減率は密度高度に直結します。気温が高いと空気密度が下がり、ドローンのプロペラが生み出す揚力が低下します(密度高度が上昇する)。

夏の高地や真夏日の飛行でホバリング性能が落ちる原因がここにあります。

乾燥断熱減率と湿潤断熱減率

空気の塊が上昇するとき、周囲の気圧が下がって空気が膨張し、温度が低下します。この低下率を断熱減率といいます。

種類低下率(100mあたり)条件
乾燥断熱減率約1.0℃水蒸気が飽和していない(雲がない)空気の塊が上昇するとき
湿潤断熱減率約0.5〜0.6℃水蒸気が飽和し雲が発生している状態で空気の塊が上昇するとき(水蒸気が凝結して潜熱を放出するため低下率が小さい)

大気の安定・不安定とドローン飛行

気温逓減率と断熱減率の比較が、大気の安定性を決めます。

状態条件ドローンへの影響
不安定気温逓減率 > 断熱減率(実際の気温低下が大きい)上昇気流・積乱雲・突風が発生しやすい。乱気流リスク大
安定気温逓減率 < 断熱減率大気が安定。霧や靄が発生しやすい状況でもある
逆転層高度とともに気温が上昇(通常と逆)汚染物質・霧が下層に閉じ込められる。大気は極めて安定

高度上昇に伴う気温・空気密度の変化については、無人航空機の飛行の安全に関する教則(下図)でも数値として示されています。

高度と空気密度テーブル(国土交通省 無人航空機の飛行の安全に関する教則 第4版 p.40):高度1000m増加ごとに空気密度は約0.9倍に低下。気温・気圧も高度とともに変化
出所:国土交通省「無人航空機の飛行の安全に関する教則 第4版」(2026年2月)p.40 高度と空気密度の関係:標準大気では地上(0m)の空気密度を基準とすると、高度が上昇するほど密度が低下する。これは気温低下(気温逓減率)と気圧低下の両方による。気温が高いほど空気密度も低下し揚力に影響する。

混同しやすい用語

気温逓減率:実際の大気中で高度とともに気温が低下する割合。標準大気で100mあたり約0.65℃。

乾燥断熱減率:未飽和の空気塊が上昇するときの断熱的な気温低下率。約1.0℃/100m。

湿潤断熱減率:飽和した空気塊(雲の中)が上昇するときの気温低下率。約0.5〜0.6℃/100m。

密度高度:気温・湿度・気圧が標準大気と異なる場合に、同じ空気密度が得られる仮想的な高度。気温が高いと密度高度が上がり、機体性能が低下する。

学科試験対策|管理人の一言

「100mで0.65℃低下」という数値と、乾燥断熱減率(約1℃)・湿潤断熱減率(約0.5〜0.6℃)の大小関係を押さえましょう。また「気温が高い=密度高度が上がる=揚力が低下」という流れは密度高度の問題と合わせて理解しておくと得点に直結します。

一問一答

Q1. 標準大気における気温逓減率は100mあたり何℃か。

A1. 約0.65℃(高度が100m上がるごとに約0.65℃低下)。

Q2. 乾燥断熱減率と湿潤断熱減率ではどちらが大きいか。

A2. 乾燥断熱減率(約1.0℃/100m)のほうが大きい。湿潤断熱減率は約0.5〜0.6℃/100m。

Q3. 実際の気温逓減率が乾燥断熱減率より大きい場合、大気は安定か不安定か。

A3. 不安定。上昇気流・積乱雲・乱気流が発生しやすい状態。

まとめ

対流圏では高度が上がるにつれて気温が下がります(気温逓減率 約0.65℃/100m)。この関係は密度高度・大気の安定性・雲の発生と密接につながっています。

乾燥断熱減率(約1℃)と湿潤断熱減率(約0.5〜0.6℃)の違いを整理しておくと学科試験の気象問題を広くカバーできます。

関連記事:密度高度とドローン性能の関係 逆転層とは?ドローン飛行への影響

参考資料

・無人航空機の飛行の安全に関する教則(国土交通省 第4版)

・気象業務法(昭和27年法律第165号)

・気象庁 航空気象情報

この記事を書いた人

ソラタ

30代。二等無人航空機操縦士の技能証明取得を目指して勉強中。学科試験で詰まったポイントを整理してお伝えします。