ソラタ
「GNSSって衛星が何個必要なの?1個や2個じゃ位置がわからないの?」三角測量の仕組みと必要衛星数を整理します。
この記事の要点
GNSSは複数の衛星から送られてくる電波の到達時間を測定し、各衛星までの距離を計算して位置を特定します。2次元測位(緯度・経度)には最低3機、3次元測位(緯度・経度・高度)には最低4機の衛星が必要です。
電離層・対流圏での電波遅延やマルチパスが測位誤差の主な原因です。
GNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)は、地球を周回する複数の衛星からの電波を利用して地上の受信機の位置を特定するシステムの総称です。
| システム名 | 運営国・機関 |
|---|---|
| GPS | アメリカ(最も広く利用される) |
| GLONASS | ロシア |
| Galileo | EU |
| BeiDou(北斗) | 中国 |
| みちびき(QZSS) | 日本(補完・補強システム) |
GNSSの測位は「衛星からの電波が届くまでの時間」から距離を計算することで行われます。
衛星は正確な原子時計を持ち、現在時刻と衛星の位置情報を含む電波を継続的に送信します。地上の受信機がその電波を受け取ると、送信時刻と受信時刻の差(電波の伝搬時間)に光速をかけて衛星までの距離を求めます。
| 測位の種類 | 必要な衛星数 | 求められる情報 |
|---|---|---|
| 2次元測位 | 最低3機 | 緯度・経度(高度は既知として扱う) |
| 3次元測位 | 最低4機 | 緯度・経度・高度(受信機の時計誤差も解く) |
ドローンの位置保持(GPSホールド)では3次元測位が行われるため、受信できる衛星数が少ないと測位精度が低下します。一般に6機以上の衛星を受信できる状態が安定した飛行に必要とされます。
| 誤差の原因 | 説明 |
|---|---|
| 電離層遅延 | 電波が電離層を通過する際に速度が変化し、距離の計算にズレが生じる |
| 対流圏遅延 | 大気(水蒸気・温度など)の影響で電波伝搬速度が変化する |
| マルチパス | 建物・地面に反射した電波が受信機に届き、直接波との混在で誤差が生じる |
| 衛星配置(DOP) | 受信できる衛星の幾何学的配置が悪いと測位精度が低下する |
| 受信機の時計誤差 | 受信機の時計が正確でないと伝搬時間の計算にズレが生じる |
GNSS測位の仕組み(4衛星以上から距離を測定して位置を特定)と誤差要因・精度向上方法については、無人航空機の飛行の安全に関する教則(下図)で確認できます。
混同しやすい用語
GNSS:衛星測位システムの総称。GPS・GLONASS・Galileo・みちびきなどを含む。
GPS:アメリカが運営するGNSSの一種。日本では「GPS」がGNSS全体の意味で使われることも多い。
測位:衛星からの電波を使って位置(緯度・経度・高度)を特定すること。
マルチパス:建物・地面などで反射した電波が受信機に届き測位誤差を生む現象。
Q1. GNSSとは何の略か。また、GPSとの違いは何か。
A1. Global Navigation Satellite System(全球測位衛星システム)の略。GPSはアメリカのGNSSの一種で、GNSSはGPS・GLONASS・Galileoなどを含む総称。
Q2. 3次元測位(緯度・経度・高度)に必要な衛星数は最低何機か。
A2. 最低4機。
Q3. GNSS測位誤差の原因を2つ答えよ。
A3. ①電離層遅延 ②マルチパス(他に対流圏遅延・DOP・受信機の時計誤差なども正解)。
GNSSは複数の衛星からの電波到達時間から各衛星までの距離を計算し位置を特定します。3次元測位には最低4機の衛星が必要で、受信衛星数が少ないと精度が低下します。
電離層遅延・マルチパス・衛星配置(DOP)が測位誤差の主な原因です。
参考資料
・電波法(昭和25年法律第131号)
・無人航空機の飛行の安全に関する教則(国土交通省 第4版)
・総務省 電波利用ホームページ
※ この記事の制度確認日:2026年5月
学科試験対策|管理人の一言
「3次元測位には最低4機の衛星が必要」「測位誤差の原因(電離層・マルチパス・DOP)」は学科試験で問われます。GPSとGNSSの違い(GPSはGNSSの一種)も押さえておきましょう。
「衛星数が少ない=精度が落ちる・位置保持が不安定になる」という実用的な理解と結びつけて覚えると効果的です。