ソラタ
「モザイク処理って写真をつなぎ合わせるだけ?」正射変換との違いと、重複率・GSDとの関係を整理します。
この記事の要点
モザイク処理(オルソモザイク処理)とは、ドローンで撮影した複数の写真をSfMで位置合わせした後、正射変換して歪みを補正し、一枚の連続したオルソ画像に合成する処理です。重複率(オーバーラップ率)が高いほど合成精度が上がり、地上解像度(GSD)が高いほど細部まで鮮明なオルソ画像が得られます。
ドローン測量では一度の飛行で数百〜数千枚の写真を撮影します。これらをSfMで位置関係を解析し、正射変換で歪みを補正したうえで、継ぎ目なく一枚の大きな画像に合成する処理がモザイク処理(オルソモザイク処理)です。
完成したモザイク画像はオルソ画像として地図に重ね合わせたり、距離・面積の計測に使用したりできます。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| ①空撮 | ドローンで格子状・並行飛行しながら複数写真を撮影(重複率を確保) |
| ②SfM処理 | 写真間の共通点を自動検出し、各写真の撮影位置・姿勢を推定 |
| ③DSM生成 | SfMの結果から点群データとDSMを生成 |
| ④正射変換 | DSMを使って各写真の歪みを補正し正射投影に変換 |
| ⑤モザイク合成 | 補正された写真を継ぎ目が目立たないよう合成し一枚のオルソ画像を生成 |
重複率とは隣り合う写真同士が重なり合う割合のことです。SfMの精度に直結します。
| 方向 | 推奨値 | 役割 |
|---|---|---|
| 前後重複(オーバーラップ) | 80%以上 | 飛行方向の前後写真の重なり |
| 左右重複(サイドラップ) | 60〜70%以上 | 並行飛行コース間の左右の重なり |
重複率が低いと写真間の共通点が少なくなり、SfM処理が失敗したり合成後に「穴」ができたりします。
ドローン測量での系統的な撮影計画(飛行経路・撮影地点の自動プランニング)は、教則第4版(下図)でも説明されています。
GSD(Ground Sampling Distance:地上画素寸法)とは、写真の1ピクセルが地上で何cmに相当するかを示す値です。GSDが小さいほど解像度が高く(細部まで鮮明)、GSDが大きいほど解像度が低くなります。
飛行高度が低いほどGSDは小さくなり(高解像度)、飛行高度が高いほどGSDは大きくなります(広範囲・低解像度)。
混同しやすい用語
モザイク処理:複数写真を位置合わせ・歪み補正したうえで一枚に合成する処理。
正射変換:DSMを使って写真の歪みを補正する処理。モザイク処理の一工程。
重複率(オーバーラップ率):隣接写真の重なり割合。SfM精度と合成品質に影響。
GSD(地上解像度):写真1ピクセルが地上で何cmに相当するか。飛行高度が低いほど小さく高解像度になる。
Q1. モザイク処理とは何か。
A1. ドローンで撮影した複数の写真をSfMで位置合わせし、正射変換で歪みを補正したうえで一枚のオルソ画像に合成する処理。
Q2. 重複率(オーバーラップ率)が低いとどうなるか。
A2. 写真間の共通点が少なくなりSfM処理の精度が低下し、オルソ画像に穴や継ぎ目のズレが生じる。
モザイク処理はドローン写真をSfM→正射変換→合成してオルソ画像を生成するプロセスです。重複率(前後80%・左右60〜70%以上が推奨)とGSD(飛行高度で決まる地上解像度)がオルソ画像の品質を左右します。
関連記事:オルソ画像とは? 正射変換・鉛直投影とは? SfMとは? GCPとは?
参考資料
・測量法(昭和24年法律第188号)
・i-Construction(国土交通省)
・無人航空機の飛行の安全に関する教則(国土交通省 第4版)
※ この記事の制度確認日:2026年5月
学科試験対策|管理人の一言
「モザイク処理=複数写真→SfM→正射変換→合成→オルソ画像」という流れを一本で押さえましょう。「重複率が低いと合成に失敗する」「GSDが小さいほど高解像度」という関係も実用的な知識として重要です。