ソラタ
「正射投影・鉛直投影・正射変換……似た言葉が多くて混乱する」オルソ画像がなぜ地図として使えるのか、原理から整理します。
この記事の要点
通常の空撮写真はカメラの傾きと地形の起伏によって歪みが生じます。鉛直投影とは真下から垂直に見下ろした投影方式、正射投影は歪みのない直交投影のことです。
正射変換(オルソレクティフィケーション)とは、DSMを使って写真の歪みを補正し正射投影画像(オルソ画像)に変換する処理です。
ドローンで撮影した通常の写真は、2つの原因で地図として使えない歪みが生じます。
| 歪みの原因 | 説明 |
|---|---|
| カメラの傾き | 飛行中のわずかな機体傾斜により、写真が真下から撮られていない |
| 地形の起伏 | 高い建物や丘は写真上で実際の位置からズレて写る(「倒れこみ」現象) |
このため、通常写真を地図上に重ねると位置がズレてしまいます。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 鉛直投影 | 真下(鉛直方向)から見下ろした投影。全ての点を垂直に地面へ投影するイメージ |
| 正射投影 | 歪みのない直交投影。どの地点も均一なスケールで表現される投影方式 |
| 正射変換(オルソレクティフィケーション) | DSMを使って写真の傾きと地形起伏による歪みを補正し、正射投影画像に変換する処理 |
①空撮写真 → ②SfM処理でDSM生成 → ③正射変換(DSMを使って歪み補正) → ④オルソ画像(地図として使用可能)
正射変換によって、建物の「倒れこみ」や写真の傾きが補正されます。完成したオルソ画像は実際の距離・面積を正確に計測できるため、測量・設計・監理に使用できます。
空中写真測量でのオルソ変換処理の基盤となる自動飛行・撮影計画については、教則第4版(下図)でも示されています。
| 比較項目 | 通常の空撮写真 | オルソ画像 |
|---|---|---|
| 投影方式 | 中心投影(カメラの光学中心から放射状) | 正射投影(鉛直方向に均一) |
| 建物の写り方 | 高い建物が倒れこんで見える | 建物が真上から見た形で表示 |
| 距離・面積の計測 | 場所によってスケールが異なるため不正確 | 均一スケールで正確に計測可能 |
| 地図への重ね合わせ | 位置ズレが生じる | 地図と一致する |
混同しやすい用語
正射変換(オルソレクティフィケーション):写真の歪みをDSMを使って補正する処理そのもの。
正射投影:歪みのない直交投影の方式。正射変換の結果として得られる投影状態。
鉛直投影:真下から垂直に見下ろす投影。正射投影に近い概念で、地図作成の基本。
オルソ画像:正射変換処理を経た歪み補正済みの空撮画像。地図として利用できる。
Q1. 正射変換とは何か。
A1. DSMを使って空撮写真のカメラ傾きと地形起伏による歪みを補正し、正射投影画像(オルソ画像)に変換する処理。
Q2. 通常の空撮写真がそのまま地図として使えない理由を答えよ。
A2. カメラの傾きと地形の起伏により中心投影となり、建物の倒れこみなど位置の歪みが生じるため。
通常写真は中心投影のため歪みがあり地図として使えません。正射変換(オルソレクティフィケーション)によってDSMを使い歪みを補正することで、距離・面積を正確に計測できるオルソ画像(正射投影画像)が生成されます。
参考資料
・測量法(昭和24年法律第188号)
・i-Construction(国土交通省)
・無人航空機の飛行の安全に関する教則(国土交通省 第4版)
※ この記事の制度確認日:2026年5月
学科試験対策|管理人の一言
「なぜオルソ画像が地図として使えるのか」という問いに「正射変換で歪みが補正されているから」と答えられれば十分です。正射変換→正射投影→オルソ画像という処理の流れを一本の線として理解しておきましょう。
「建物の倒れこみが補正される」という具体的なイメージと結びつけると記憶に残ります。