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「DOPって低いほど良いの?測位精度に直接影響するの?」衛星配置と測位精度の関係を整理します。
この記事の要点
DOP(測位精度低下率)は受信衛星の幾何学的配置が測位精度に与える影響を数値化したものです。値が小さいほど精度が高く、衛星が空全体に均等に分布しているほどDOPは小さくなります。
建物・山に囲まれた場所では衛星配置が偏りDOPが悪化します。
DOP(Dilution of Precision:精度低下率)とは、受信できるGNSS衛星の幾何学的な配置(分散の程度)が測位精度に与える影響を数値で表したものです。
同じ衛星数でも、衛星が空の一方向に偏って集まっている場合と、空全体に均等に広がっている場合では測位精度が大きく異なります。衛星が広く分散しているほどDOPの値は小さく(良好)、偏っているほどDOPの値は大きく(悪化)なります。
| DOP値 | 精度の目安 |
|---|---|
| 1以下 | 非常に良好 |
| 1〜2 | 良好(一般的なドローン飛行に十分) |
| 2〜5 | 普通〜やや低下 |
| 5〜10 | 低い(精度が要求される用途には不適) |
| 10以上 | 非常に低い(信頼性が低く、精度を要する飛行は避けるべき) |
DOPにはいくつかの種類があり、それぞれ精度低下の対象となる方向が異なります。
3次元位置(緯度・経度・高度)全体の精度低下率です。衛星配置の総合的な良し悪しを示します。
水平方向(緯度・経度)の精度低下率です。ドローンの位置保持では主にこのHDOPが重要で、値が小さいほど水平方向の位置保持精度が高くなります。
垂直方向(高度)の精度低下率です。高度保持の精度に関係します。
時刻精度の低下率です。受信機の時計補正精度に影響します。
| 状況 | なぜDOPが悪化するか |
|---|---|
| 建物・山に囲まれた場所 | 利用できる衛星が空の一部分に限られ、衛星配置が偏る |
| 衛星数が少ない | 少ない衛星から位置を求めるため幾何学的な精度が下がる |
| 衛星が同じ方向に集まっている | 測位の基準点が分散せず、位置計算の精度が落ちる |
GNSS測位精度とDOP(測位精度低下率)・衛星配置・マルチパス・受信ノイズ等の誤差要因については、無人航空機の飛行の安全に関する教則(下図)で整理されています。
混同しやすい用語
DOP:衛星の幾何学的配置による測位精度の低下率。値が小さいほど良好。
HDOP:水平方向の精度低下率。ドローンの位置保持精度に直結。
マルチパス:反射波による測位誤差。DOPとは別の誤差要因だが、どちらも精度低下を引き起こす。
電離層遅延:電波の伝搬遅延による誤差。DOPとは独立した誤差要因。
Q1. DOPとは何を表す指標か。
A1. GNSS衛星の幾何学的配置が測位精度に与える影響(精度低下率)。値が小さいほど精度が高い。
Q2. DOPの値が大きくなる(精度が下がる)のはどのような状況か。
A2. 受信できる衛星が少ない、または衛星が空の一方向に偏っている状況(建物・山に囲まれた場所など)。
Q3. ドローンの水平方向の位置保持精度に最も関係するDOPの種類を答えよ。
A3. HDOP(水平DOP)。
DOPは衛星の幾何学的配置による測位精度低下率です。値が小さいほど精度が良く、衛星が空全体に均等に分布しているほどDOPは小さくなります。
建物・山に囲まれた場所では利用できる衛星が限られDOPが悪化します。ドローンの水平位置精度にはHDOPが関係します。
関連記事:GNSSの測位原理 GNSS誤差の種類と対策 マルチパスとは
参考資料
・電波法(昭和25年法律第131号)
・無人航空機の飛行の安全に関する教則(国土交通省 第4版)
・総務省 電波利用ホームページ
※ この記事の制度確認日:2026年5月
学科試験対策|管理人の一言
「DOPは衛星の幾何学的配置が測位精度に与える影響の指標」「DOPの値が小さいほど精度が高い」「衛星が空全体に均等に分布しているほどDOPが小さくなる」という3点を覚えましょう。建物に囲まれた場所でGPS精度が落ちる理由の一つがDOPの悪化です。