ソラタ
私も最初ここで混乱しました。「GNSSと磁気方位の違いは?」ここ、意外と説明が少なくて困りました。
この記事の要点
GNSSは「どこにいるか(位置:緯度・経度・高度)」を衛星から把握するシステム、磁気方位は「どちらを向いているか(方位)」を地磁気センサーで把握するシステムです。
ドローンはGNSSで位置を、コンパス(地磁気センサー)で方位を把握して飛行を制御します。両方が正常に機能することが安定した自動飛行の前提です。
「GNSSはGPSのこと?」「磁気方位って何が違うの?」という疑問は学科試験でよく出るテーマです。位置と方位は別々の情報であることを理解することが第一歩です。
ザックリ言うと、GNSSは「今どこにいるか(位置)」を衛星から調べる仕組みで、コンパスは「今どちらを向いているか(方位)」を別の仕組みで調べています。
GNSS(Global Navigation Satellite System)は、衛星から電波を受信して位置(緯度・経度・高度)を測定するシステムの総称です。代表的なシステムには以下があります。
GPSはGNSSの一種です。「GNSS=GPS」ではなく、「GPSはGNSSに含まれる」という関係です。
現在のドローンは複数のGNSSシステムを同時に利用して測位精度を高めています。
磁気方位は、地磁気センサー(電子コンパス)を使って「機体がどちらを向いているか(方位)」を検出します。北の方向を基準とした機体の向きを把握するために使われます。
ドローンは、「北を向いて前進」という命令を実行するために磁気方位が必要です。GNSSだけでは「今どこにいるか」はわかりますが「どちらを向いているか」はわかりません。
地磁気センサの役割(機体の方位を地磁気で取得)と磁気偏角については、無人航空機の飛行の安全に関する教則(下図)で確認できます。
| 項目 | GNSS | 磁気方位(コンパス) |
|---|---|---|
| 把握する情報 | 位置(緯度・経度・高度) | 方位(機体の向き) |
| センサーの原理 | 衛星からの電波を受信 | 地磁気を検出 |
| 影響を受けるもの | 建物・地形によるマルチパス・遮蔽 | 金属・電磁波・磁性体 |
| 誤差の原因 | 衛星数・障害物・大気 | コンパスエラー(磁気異常) |
| ドローンでの役割 | 自動飛行の位置制御 | 姿勢・方向の制御 |
地磁気センサーは、周囲の金属・電磁波・磁性体の影響で正確な磁北を検出できなくなることがあります。これを「コンパスエラー」といいます。
コンパスエラーが起きると、機体の方向認識がずれて意図しない動きをする可能性があります。
コンパスキャリブレーション(較正)は、飛行場所の磁場環境に合わせてセンサーを補正する作業です。特に磁気異常が起きやすい場所(鉄塔・変電所・地下鉄近く等)では重要です。
「GNSSが正常なら方位も正確」という誤解が起きやすいです。GNSSは位置のみを把握し、方位は別のセンサー(コンパス)が担います。
GNSSが正常でもコンパスが誤作動すると、機体の向きがおかしくなります。二つのセンサーが独立していることを押さえましょう。
混同しやすい用語
GNSS:衛星測位システムの総称。GPSはGNSSの一種。
位置(緯度・経度・高度)を把握する。
GPS:米国のGNSSシステム。GNSSの代表例だが、GNSSの全体を指すわけではない。
磁気方位:地磁気センサー(コンパス)で検出する機体の向き。GNSSとは独立したセンサーが担う。
コンパスエラー:磁気異常によって磁気方位の検出が不正確になる状態。
Q1. GNSSとGPSの関係を一言で言うと?
A1. GPSはGNSSの一種(GNSSは複数の衛星測位システムの総称)。
Q2. ドローンが「どちらを向いているか」を把握するのはGNSSか、コンパスか。
A2. コンパス(地磁気センサー)。GNSSは位置を把握する。
Q3. コンパスエラーが起きやすい環境はどこか。
A3. 鉄塔・変電所・金属構造物・地下鉄近くなど磁場が乱れやすい場所。
GNSSは衛星から位置を取得するシステム(GPSはその一種)、磁気方位は地磁気センサーで方位を検出するシステムです。ドローンは両方を組み合わせて安定した飛行を実現しています。
どちらが何を担当しているかを分けて理解しましょう。
関連記事:電波干渉とは? フェールセーフとは? RTKとPPKの違いは?
参考資料
・電波法(昭和25年法律第131号)
・無人航空機の飛行の安全に関する教則(国土交通省 第4版)
・総務省 電波利用ホームページ
※ この記事の制度確認日:2026年5月
学科試験対策|管理人の一言
「GNSSは位置、コンパスは方位」という分け方が整理の軸です。GPSはGNSSの一種であることも押さえましょう。
コンパスエラーの原因(金属・電磁波)も試験で問われることがあります。