ソラタ
「包括申請と都度申請って何が違うの?業務で同じ場所に繰り返し飛ばす場合はどっちを選べばいい?」2つの申請方式の違いと使い分けを整理します。
この記事の要点
飛行許可・承認申請には「包括申請(期間・範囲を包括的に申請)」と「都度申請(飛行ごとに申請)」の2つがある。定期的・継続的に飛行する場合は包括申請が効率的。
飛行地域・機体・目的が変わる都度申請ではなく、同じ条件で繰り返し飛行する場合は包括申請を活用することで申請の手間が大幅に減る。
航空法上の許可・承認が必要な飛行(カテゴリーⅡb相当など)を行う場合、国土交通省の「DIPS2.0(ドローン情報基盤システム)」で事前申請が必要です。この申請には大きく2種類の方式があります。
「包括申請」は一定期間・複数の空域や条件をまとめて一度に申請する方式、「都度申請」は飛行ごとに個別に申請する方式です。どちらを選ぶかは飛行の頻度・場所の固定度・目的によって変わります。
ザックリ言うと、包括申請は「定期乗車券(毎日同じルートを乗る人向け)」で、都度申請は「1回券(その都度買う)」のようなものです。同じ場所に繰り返し飛ばすなら包括申請の方が圧倒的に楽です。
包括申請とは、一定の期間(最長1年間)および複数の空域・飛行条件をまとめて申請する方式です。同じ飛行条件(機体・目的・飛行空域の種別等)で繰り返し飛行する場合に適しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 有効期間 | 最長1年間(申請・承認の都度更新) |
| 対象空域・条件 | 飛行禁止空域の種別や特定の飛行方法(夜間・目視外等)を包括的に申請 |
| 申請の手間 | 1回の申請で長期間・複数の飛行をカバーできる |
| 向いている飛行 | 同じ機体で同じ目的・空域種別の飛行を繰り返す場合 |
例えば「農薬散布業者が全国の農地上空で夜間飛行を繰り返す場合」などは、包括申請で「夜間・目視外・人口集中地区等」を一括して申請しておけば、個別の飛行ごとに申請し直す必要がなくなります。
都度申請とは、1回の飛行ごとに個別に申請する方式です。飛行地点・日時・目的が毎回異なる場合や、包括申請の対象外となる特殊な飛行条件の場合に使用します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請タイミング | 飛行ごとに事前申請(通常10開庁日前までが目安) |
| 対象 | 特定の飛行地点・日時・目的を個別に申請 |
| 申請の手間 | 毎回申請が必要 |
| 向いている飛行 | 飛行場所・目的・機体が毎回異なる場合 |
包括申請の許可条件に合致しない飛行(例:申請した機体以外を使う・申請エリア外での飛行等)は、都度申請が必要です。
包括申請と都度申請の選択は、主に「飛行の頻度と場所の固定度」で判断します。
| 飛行のパターン | 適した申請方式 |
|---|---|
| 同じ機体で同じ種類の空域を定期的に飛行する | 包括申請 |
| 飛行場所が毎回異なる(ただし空域種別は同じ) | 包括申請(空域種別ごとに包括可能) |
| 飛行する空域種別が毎回異なる | 都度申請または条件ごとに包括申請を分ける |
| 特定の日時・場所での単発の飛行 | 都度申請 |
| 包括申請の条件外の特殊な飛行 | 都度申請 |
包括申請であっても、飛行ごとにFISS(飛行情報共有システム)への登録が必要な場合があります。包括申請と個別のFISS登録は別の手続きです。
申請はDIPS2.0(drone.mlit.go.jp)で行います。主な手続きの流れは以下のとおりです。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| ①アカウント登録 | DIPS2.0にアカウントを登録 |
| ②機体・操縦者情報の登録 | 飛行に使用する機体・操縦者の情報を登録 |
| ③申請種別の選択 | 包括申請または都度申請を選択 |
| ④申請内容の入力 | 飛行空域・期間・飛行方法・目的等を入力 |
| ⑤申請書類の添付(必要に応じて) | 安全確保措置・飛行計画図等を添付 |
| ⑥審査・承認 | 国土交通省が審査(通常10開庁日程度) |
審査期間は申請内容・時期によって前後します。余裕を持って早めに申請することが重要です(詳細は国土交通省等の最新情報でご確認ください)。
特定飛行の許可・承認申請とDIPS2.0による飛行計画の通報義務については、無人航空機の飛行の安全に関する教則(下図)で通報事項とともに示されています。
許可・承認が必要となるのは主にカテゴリーⅡb(第三者上空等の特定リスクの高い飛行)です。カテゴリーⅡbの飛行では、技能証明・機体認証または飛行許可承認が必要になる場合があります。
カテゴリーⅠ(リスクが低い飛行)は許可・承認が不要、カテゴリーⅢ(第三者上空の自動・自律飛行等)は型式認証等の特別な要件があります(詳細は国土交通省等の最新情報でご確認ください)。
学科試験では「包括申請」と「FISS(飛行情報共有システムへの事前通報)」が混同されることがあります。包括申請は国土交通大臣への許可・承認の申請手続き、FISSは飛行の安全確保のための情報共有システムへの登録であり、まったく別の手続きです。
包括申請の承認を受けていても、FISSへの登録が別途必要な場合があります。
混同しやすい用語
包括申請(DIPS2.0):国土交通大臣への飛行許可・承認の申請方式の一つ。一定期間・複数条件をまとめて申請できる。
許可・承認を受ける法的手続き。
事前通報(FISS:飛行情報共有システム):飛行情報を空域利用者間で共有するシステムへの登録。許可申請とは別の手続きで、飛行の安全確保を目的とする情報共有の仕組み。
Q1. 包括申請の有効期間は最長何年か?
A1. 最長1年間。期間満了後に引き続き飛行する場合は更新申請が必要。
Q2. 包括申請の承認を受けている場合、FISSへの事前登録は不要か?
A2. 不要ではない。包括申請(許可承認)とFISS(飛行情報共有)は別の手続きであり、飛行内容に応じてFISSへの登録が別途必要になる場合がある。
Q3. 飛行場所が毎回異なる場合、包括申請と都度申請どちらが適切か?
A3. 空域の種別(飛行禁止空域の種類)が同じであれば包括申請を活用できる。飛行条件(空域種別・飛行方法)が毎回変わる場合は都度申請が必要。
飛行許可・承認申請には包括申請(最長1年・複数条件を一括申請)と都度申請(飛行ごとに個別申請)の2方式があります。定期的・継続的に同じ条件で飛行する場合は包括申請が効率的です。
申請はDIPS2.0で行い、審査には通常10開庁日程度かかるため早めの申請が重要です。包括申請の承認とFISSへの事前登録は別の手続きである点も忘れずに確認しましょう。
【罰則】飛行計画の未通報・事故報告義務違反:30万円以下の罰金(航空法第157条の10)。制度・数値は改正される可能性があるため、最新情報は国土交通省で確認してください。
参考資料
・航空法(昭和27年法律第231号)
・小型無人機等飛行禁止法(平成28年法律第9号)
・電波法(昭和25年法律第131号)
・国土交通省 無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール
※ この記事の制度確認日:2026年5月
学科試験対策|管理人の一言
「包括申請は同じ条件で繰り返し飛行する場合に有効」「都度申請は飛行ごとに個別申請」という基本を押さえたうえで、「FISSへの事前通報は包括申請とは別の手続き」という点を必ず確認してください。また「包括申請の有効期間は最長1年」という期間も試験で問われることがあります。