初心者が学ぶ無人航空機

初心者が学ぶ無人航空機
  1. HOME
  2. 制度・法令
  3. ▶ 飛行許可・承認申請とは?

飛行許可・承認申請とは?許可と承認の違い・DIPS2.0・事故報告義務を整理

ソラタ

「飛行許可と飛行承認って何が違うの?両方申請しないといけないの?」許可と承認の違いと申請が必要な場面を整理します。

この記事の要点

「許可」は飛行禁止空域DID・空港周辺・150m以上)での飛行に対して国土交通大臣が与えるもの、「承認」は特定飛行(夜間・目視外・30m以内等)の飛行方法に対して与えるものです。別々の手続きです。

カテゴリーⅡbはこれらの許可・承認を取得して特定飛行を行う区分です。申請はDIPS2.0(無人航空機飛行管理システム)でオンラインで行います。

事故が発生した場合は速やかに報告する義務があります。

「許可を取れば飛べる」という言葉はよく聞きますが、「許可」と「承認」が別々の制度であることはあまり知られていません。カテゴリーⅡbの飛行で何が必要かを、手続きの流れと事故報告義務も含めて整理します。

ザックリ言うと、「どこで飛ぶかの許可」と「どう飛ぶかの承認」は別々の申請で、両方が必要な場合はセットで取ります。

許可と承認の違い

航空法では、ドローン飛行に関する手続きとして「許可」と「承認」の2種類があります。

項目許可承認
対象飛行禁止空域(場所)特定飛行の飛行方法
必要な場面DID・空港周辺・150m以上での飛行夜間・目視外・30m以内・イベント上空・危険物・物件投下
申請先国土交通大臣(DIPS2.0)国土交通大臣(DIPS2.0)
カテゴリーⅡbとの関係必要に応じて申請必要に応じて申請

DIDで夜間飛行を行う場合は、DID上空の「許可」と夜間飛行の「承認」の両方を申請する必要があります。

カテゴリーⅡbとは

カテゴリーⅡa(機体認証+技能証明+リモートIDで許可承認不要)の要件が揃わない場合に、従来通り許可・承認を取得して特定飛行を行う区分がカテゴリーⅡbです。

機体認証や技能証明がなくても、許可・承認を取得すれば特定飛行ができます。ただし、第三者上空(カテゴリーⅢ)には対応しません。

特定飛行の種類と許可・承認申請またはカテゴリーⅡB要件の関係については、無人航空機の飛行の安全に関する教則(下図)で確認できます。

特定飛行の種類(飛行禁止空域・規制飛行方法)(国土交通省 無人航空機の飛行の安全に関する教則 第4版 p.8):特定飛行には飛行許可・承認申請またはカテゴリーⅡB要件(機体認証+技能証明)が必要
出所:国土交通省「無人航空機の飛行の安全に関する教則 第4版」(2026年2月)p.8 特定飛行の種類と対応手続き:飛行禁止空域(空港周辺・150m以上・DID上空)および特定飛行方法(夜間・目視外・人の上空・催し物上空・危険物輸送・物件投下)への対応には、DIPS2.0での飛行許可・承認申請またはカテゴリーⅡa要件(機体認証+技能証明)のいずれかが必要。

DIPS2.0とは

DIPS2.0(Drone Information Platform System)は、国土交通省が運営する無人航空機飛行管理システムです。以下の手続きをオンラインで行えます。

  • 飛行許可・承認の申請・取得
  • 飛行計画の通報(飛行情報共有)
  • 機体登録・登録記号の確認
  • 事故・重大インシデントの報告

申請内容には、飛行期間・飛行経路・目的・使用機体・安全確保措置などが含まれます。申請から審査・承認まで一定の期間が必要なため、飛行予定日の前余裕を持って申請することが必要です。

飛行計画の通報

特定飛行(カテゴリーⅡ・Ⅲ相当)を行う場合は、原則として飛行前にDIPS2.0で飛行計画を通報することが求められます。飛行計画の通報は、空域の安全確保と他の航空機・ドローンとの情報共有のために行われます。

通報した飛行計画はFISS(飛行情報共有システム)で他のユーザーと共有され、同じ空域での飛行の重複を確認・調整する仕組みになっています。

事故・重大インシデントの報告義務

無人航空機の飛行中に事故または重大インシデントが発生した場合、航空法により速やかに国土交通大臣(DIPS2.0)に報告する義務があります。

事故として報告が必要な主な場面:

  • 第三者(飛行関係者以外の人)に怪我を負わせた場合
  • 第三者の物件(建物・車両等)を損傷させた場合
  • 機体が行方不明になった(紛失・制御不能で回収できない)場合

重大インシデントとして報告が必要な主な場面:

  • 飛行中に墜落・接触のおそれがあった場合
  • 制御不能・通信途絶が発生した場合
  • 機体の損傷が生じた場合

事故・インシデントの報告は義務であり、報告を怠ると航空法違反となる可能性があります。詳細な報告基準は国土交通省の最新情報で確認してください。

学科試験で混同しやすいポイント

「許可=承認」という混同が起きやすいです。許可は空域(場所)、承認は飛行方法(どう飛ぶか)に対して与えられるものです。

また、「DIPS2.0で飛行計画を通報することと、許可・承認を取得することは別の手続き」という点も整理しておきましょう。

混同しやすい用語

許可:飛行禁止空域(DID・空港周辺・150m以上)での飛行を国土交通大臣が認めること。場所に対する手続き。

承認:特定飛行(夜間・目視外・30m以内等)の飛行方法を国土交通大臣が認めること。方法に対する手続き。

DIPS2.0:国土交通省の無人航空機飛行管理システム。許可・承認申請・飛行計画通報・事故報告をオンラインで行う。

飛行計画の通報:特定飛行前にDIPS2.0で飛行情報を登録・共有する手続き。許可・承認の取得とは別の手続き。

事故報告義務:事故・重大インシデント発生時に国土交通大臣に速やかに報告する航空法上の義務。

学科試験対策|管理人の一言

「許可=場所(空域)」「承認=方法(飛行方法)」という対比が整理の軸です。事故報告義務は「速やかに」「DIPS2.0で」という点も押さえましょう。

飛行計画の通報は許可取得とは別の手続きです。制度の詳細・申請方法は国土交通省・DIPS2.0の公式情報を確認してください。

一問一答

Q1. 「許可」と「承認」の違いを一言で言うと?

A1. 許可は飛行禁止空域(場所)に対する手続き、承認は特定飛行方法(どう飛ぶか)に対する手続き。

Q2. カテゴリーⅡbで飛行するために必要な手続きは何か。

A2. 必要に応じて飛行禁止空域の「許可」と特定飛行方法の「承認」をDIPS2.0で取得する。

Q3. 飛行中に第三者に怪我を負わせた場合、どのような義務があるか。

A3. 速やかに国土交通大臣(DIPS2.0)に事故を報告する義務がある(航空法上の義務)。

まとめ

「許可」は飛行禁止空域(場所)、「承認」は特定飛行方法(どう飛ぶか)に対する手続きで、どちらもDIPS2.0でオンライン申請します。カテゴリーⅡbはこれらの許可・承認を取得して特定飛行を行う区分です。

特定飛行では飛行前の飛行計画通報も必要で、事故・重大インシデントが発生した場合は速やかに報告する義務があります。

関連記事:カテゴリーⅠ・Ⅱ・Ⅲ飛行の違いは? 飛行禁止空域とは? 機体認証と技能証明の違いは?

参考資料

・航空法(昭和27年法律第231号)

・小型無人機等飛行禁止法(平成28年法律第9号)

・電波法(昭和25年法律第131号)

・国土交通省 無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール

この記事を書いた人

ソラタ

30代。二等無人航空機操縦士の技能証明取得を目指して勉強中。学科試験で詰まったポイントを整理してお伝えします。