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ドローン用バッテリー(LiPo)とは?セル数・容量・過放電・低温特性を整理

ソラタ

「LiPoのC値って何?公称電圧が何Vとか言われてもピンとこない」バッテリーのスペック表をざっくり読めるように整理します。

この記事の要点

ドローンの動力源として広く使われるのがLiPo(リチウムポリマー)バッテリーです。軽量・高エネルギー密度という特性がある一方、過放電・過充電・衝撃に弱く、適切な管理が必要です。

低温環境ではバッテリーの出力が著しく低下するため、冬季の飛行には特別な注意が必要です。セル数(S)と電圧の関係、容量(mAh)と飛行時間の関係は学科試験でも問われます。

バッテリーはドローン飛行の「燃料」です。バッテリーの特性を理解しないまま飛行すると、残量切れによる墜落や、過放電による機体損傷につながります。

ザックリ言うと、「LiPoは軽くてパワフルだが繊細。過放電・過充電・低温・衝撃でダメになる。残量管理は安全運航の基本」です。

LiPo(リチウムポリマー)バッテリーとは

LiPo(Lithium Polymer)バッテリーは、リチウムイオン電池の一種で、電解質にポリマーを使用したバッテリーです。ドローン用として広く普及している理由は次の通りです。

  • 高エネルギー密度:同じ重量で多くのエネルギーを蓄えられる
  • 軽量:アルミラミネートパウチ構造で金属缶が不要
  • 高出力:大電流を瞬時に放電できる(プロペラの急加速に対応)

セル数(S)と電圧

LiPoバッテリーは「セル(単セル)」を直列につなぐことで電圧を高めます。1セルあたりの公称電圧は3.7Vです。

セル数表記公称電圧満充電電圧
1セル1S3.7V4.2V
3セル3S11.1V12.6V
4セル4S14.8V16.8V
6セル6S22.2V25.2V

セル数が多いほど電圧が高く、モーターの回転数・出力が増します。機体によって対応するセル数が決まっており、規格外のバッテリーを使用するとモーター・ESCの破損につながります。

セル数と電圧の関係や電気・電子用語の定義は、無人航空機の飛行の安全に関する教則(下図)でも整理されています。

無人航空機のシステム 電気・電子用語(電圧・容量・充電率)の定義(教則第4版 p.43)
出所:国土交通省「無人航空機の飛行の安全に関する教則 第4版」(2026年2月)p.43 電気・電子用語(電圧・出力・容量・充電率)の定義。リチウムポリマーバッテリーの1セル電圧3.7V、電圧降下の仕組みが示されている。

容量(mAh)と飛行時間

バッテリー容量はmAh(ミリアンペア時)で表されます。容量が大きいほど蓄えられるエネルギーが多く、理論上は飛行時間が延びます。

ただし容量が大きいとバッテリー自体が重くなるため、飛行時間の延長には限界があります。

実際の飛行時間は、機体の重量・飛行速度・風速・気温・バッテリーの劣化状態によって変わります。カタログの「最大飛行時間」は無風・ホバリング時の理想値であることが多く、実際はより短くなります。

過放電・過充電のリスク

LiPoバッテリーは、電圧が一定以下に下がる過放電状態になると、内部の化学物質が変質し再充電できなくなります。また過充電では発熱・膨張・最悪の場合発火につながります。

  • 過放電の防止:バッテリー残量を常に監視し、残量が低くなったら帰還・着陸する
  • 過充電の防止:LiPo対応の充電器を使い、充電中から目を離さない
  • 物理的衝撃の回避:落下・圧迫によってセルが変形し、内部短絡のリスクがある

LiPoバッテリーの特性と取り扱い上の注意点(過充電・過放電・発火リスク・セル間バランス)は、無人航空機の飛行の安全に関する教則(下図)にまとめられています。

リチウムポリマーバッテリーの種類・特徴と取り扱い上の注意点(教則第4版 p.45)
出所:国土交通省「無人航空機の飛行の安全に関する教則 第4版」(2026年2月)p.45 機体の動力源・リチウムポリマーバッテリーの特徴と取り扱い上の注意点(過放電・過充電・発火リスク・セル間バランス)。

低温環境での性能低下

LiPoバッテリーは気温が低いと内部抵抗が増加し、出力が著しく低下します。0℃以下では正常な出力が得られない場合があります。

これは「気温とバッテリー性能の関係」として学科試験でも出題されるポイントです。

  • 冬季飛行前はバッテリーを室内で保温してから使用する
  • 飛行中もバッテリー温度が下がらないよう飛行時間を短くする
  • 残量表示が急激に減少する「電圧降下」が起きやすい

保管・廃棄の注意点

長期保管時は「ストレージ電圧」(1セルあたり約3.8V)で保管します。満充電・完全放電のまま長期保管するとバッテリーが劣化します。

廃棄する際は各自治体の指示に従い、ショートしないようにテープで端子を保護してから廃棄します。LiPoバッテリーは家庭ごみとして捨てることはできません。

混同しやすい用語

LiPo(リチウムポリマー):ドローンに多く使われる高エネルギー密度のバッテリー。軽量・高出力だが過放電・衝撃・低温に弱い。

セル数(S):直列につながれたセルの数。1Sあたり公称3.7V。

4Sなら14.8V。セル数が多いほど電圧・出力が高い。

容量(mAh):バッテリーが蓄えられるエネルギー量。数値が大きいほど飛行時間が延びるが重量も増える。

過放電:バッテリーを使い切ることで内部が変質し、再充電不能になる状態。LiPoでは特に注意が必要。

学科試験対策|管理人の一言

「LiPoの1セルあたり公称3.7V」「低温で性能が低下する」「過放電でバッテリーが傷む」の3点が頻出です。「気温がバッテリー性能に与える影響」は気象分野と機体システム分野にまたがるテーマなので、両方から整理しておきましょう。

一問一答

Q1. LiPoバッテリーの1セルあたりの公称電圧はいくらか。

A1. 3.7V。4Sバッテリーなら3.7V×4=14.8Vとなる。

Q2. 低温環境がドローンのバッテリーに与える影響は何か。

A2. 内部抵抗が増加し出力が著しく低下する。電圧降下が起きやすく、残量表示が急激に減少したり、ホバリングに必要な出力が確保できなくなる場合がある。

Q3. LiPoバッテリーの過放電とはどのような状態か。

A3. バッテリーを使い切ることでセルの電圧が許容下限を下回り、内部の化学物質が変質した状態。再充電が困難になり、バッテリーの寿命が著しく短くなる。

まとめ

LiPoバッテリーはドローンに広く使われる高エネルギー密度のバッテリーで、セル数(S)×3.7Vが公称電圧となります。容量(mAh)が大きいほど飛行時間は延びますが重量も増します。

過放電・過充電・低温・物理的衝撃に弱く、適切な残量管理と保管方法が安全飛行の基本です。特に低温環境では出力が著しく低下することを念頭に置き、冬季の飛行計画を立てる必要があります。

関連記事:バッテリー残量と帰還判断の関係は? 気温がドローン飛行に与える影響は? フェールセーフとは?

参考資料

・無人航空機の飛行の安全に関する教則(国土交通省 第4版)

・無人航空機操縦者技能証明に係る学科試験の科目について(国土交通省)

この記事を書いた人

ソラタ

30代。二等無人航空機操縦士の技能証明取得を目指して勉強中。学科試験で詰まったポイントを整理してお伝えします。