初心者が学ぶ無人航空機

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人・建物から30m以内の飛行とは?特定飛行の条件と立入管理措置を整理

ソラタ

「人や物件から30mって具体的にどうやって測る?歩行者は何m離せばいい?」30m距離制限の対象と特定飛行との関係を整理します。

この記事の要点

航空法では、第三者または第三者が所有・管理する建物・車両など(物件)から水平距離30m以内でのドローン飛行を「特定飛行」と定めています。この規制は「人や財物への直接的なリスク」を防ぐことを目的としており、許可なく飛行することはできません。

ただし、立入管理措置(飛行エリアへの第三者の立入を防ぐ措置)を適切に講じれば、許可不要で飛行できるケースがあります。この「30m規制」と立入管理措置の関係は学科試験でも頻出です。

ドローンを実際に飛ばそうとすると、「人がいる場所の近くでは飛ばせない」という制限にすぐぶつかります。この規制の根拠と対処法を正確に理解しておくことは、試験対策にも実際の飛行計画にも役立ちます。

ザックリ言うと、「飛行関係者以外の人や、その人の持ち物から30m以内に近づいてはいけない。ただしきちんと立入管理をすれば30m以内でも飛べる」という規制です。

30m規制の根拠

航空法第132条の85第1項第六号は、「人又は物件(航空機を除く。)から30m以内の距離での飛行」を特定飛行として規定しています。

この「人」とは第三者(飛行関係者以外の人)を指し、「物件」とは第三者が所有または管理する建物・工作物・車両等を指します。飛行関係者自身や、飛行関係者が管理する機材は対象外です。

「第三者」と「物件」の定義

用語内容30m規制の対象
第三者(人)飛行関係者以外の一般の人対象(水平距離30m以内)
飛行関係者操縦者・補助者・立入管理員など飛行に関与する人対象外
物件(第三者所有)第三者が所有・管理する建物・車両・工作物等対象(水平距離30m以内)
飛行関係者の機材操縦者が管理する機材・車両等対象外

立入管理措置で解決できる場合

飛行エリアに第三者が立ち入れない状態を作ること(立入管理措置)を適切に講じた場合、30m規制の問題は実質的に解消されます。立入管理措置の方法としては次のものが挙げられます。

  • ロープ・コーン・フェンスなどで飛行エリアを区画する
  • 補助者を配置して第三者の立入を防ぐ
  • 飛行場所を一時的に占有・閉鎖する(公道の通行止めなど)

立入管理措置を講じた上で飛行する場合、エリア内に第三者がいない状態が保たれるため、30m規制の対象となる「人・物件」が存在しない状態になります。ただし、措置の程度が不十分で第三者が侵入するリスクがある場合は、許可申請が必要です。

カテゴリーⅡbとの関係

立入管理措置を講じる飛行(第三者の立入を管理する飛行)はカテゴリーⅡbに分類されます。カテゴリーⅡbの飛行は、国土交通大臣への許可申請または二等以上の技能証明+機体認証の組み合わせで対応します。

詳細はカテゴリー飛行の記事を参照してください。

30m未満飛行が特定飛行に該当すること、立入管理措置を講じた場合のカテゴリーⅡb扱いについては、無人航空機の飛行の安全に関する教則(下図)で確認できます。

特定飛行の種類(飛行禁止空域・規制飛行方法)(国土交通省 無人航空機の飛行の安全に関する教則 第4版 p.8):30m未満飛行は特定飛行。立入管理措置でカテゴリーⅡ飛行が可能
出所:国土交通省「無人航空機の飛行の安全に関する教則 第4版」(2026年2月)p.8 30m以内飛行の規制:第三者または第三者の物件との間の距離が30メートル未満での飛行は特定飛行に該当し許可・承認が必要。ただし第二種機体認証・二等技能証明取得者が立入管理措置を講じた場合はカテゴリーⅡB飛行として許可不要となる。

よくある誤解

「30mは機体から人までの距離」という理解は正しいです。ただし、この距離は水平距離であり、真下に人がいる場合は高さに関わらず規制の対象になります。

また、「立入管理さえすれば何でも飛ばせる」ではなく、他の特定飛行(夜間・目視外など)の条件も並行して守る必要があります。

混同しやすい用語

第三者:飛行関係者以外の一般の人。操縦者・補助者・立入管理員は飛行関係者であり第三者に含まれない。

物件:第三者が所有・管理する建物・車両・工作物など。飛行関係者が管理する機材は対象外。

立入管理措置:飛行エリアへの第三者の立入を防ぐ措置。ロープ区画・補助者配置などが代表例。

措置を講じることで30m規制の問題を実質的に解消できる。

カテゴリーⅡb:立入管理措置を講じる特定飛行。第三者上空を飛ばないが、安全確保のための措置が求められる。

学科試験対策|管理人の一言

「30m以内の飛行は特定飛行」「第三者と飛行関係者の区別」「立入管理措置で30m規制を解消できる」の3点が試験のポイントです。「操縦者自身は第三者に含まれない」という点も問われることがあります。

一問一答

Q1. 第三者から30m以内でのドローン飛行は航空法上どのように扱われるか。

A1. 特定飛行に該当し、原則として国土交通大臣の許可が必要。ただし立入管理措置を適切に講じれば許可なく飛行できるケースもある。

Q2. 「物件から30m以内」の「物件」とは何か。

A2. 第三者が所有または管理する建物・工作物・車両等。飛行関係者が管理する機材は含まれない。

Q3. 立入管理措置を講じると30m規制はどう変わるか。

A3. 飛行エリア内に第三者がいない状態が保たれるため、30m規制の対象となる「人・物件」が実質的に存在しなくなる。ただし措置が不十分な場合は許可申請が必要。

まとめ

第三者または第三者の所有する物件から水平距離30m以内でのドローン飛行は特定飛行であり、原則として許可が必要です。ただし立入管理措置を適切に講じ、飛行エリアへの第三者の立入を防いだ状態で飛行する場合は、30m規制の問題を実質的に解消できます。

「第三者」と「飛行関係者」の違い、「物件」の定義をしっかり整理しておくことが、この分野の理解の鍵です。

関連記事:第三者とは?飛行関係者との違いは? 立入管理措置と補助者の役割は? カテゴリー飛行の分類は?

参考資料

・航空法(昭和27年法律第231号)

・小型無人機等飛行禁止法(平成28年法律第9号)

・電波法(昭和25年法律第131号)

・国土交通省 無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール

この記事を書いた人

ソラタ

30代。二等無人航空機操縦士の技能証明取得を目指して勉強中。学科試験で詰まったポイントを整理してお伝えします。