初心者が学ぶ無人航空機

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危険物輸送・物件投下のドローン規制とは?航空法の制限と例外を整理

ソラタ

「ドローンで危険物を運ぶって農薬のこと?バッテリー自体は危険物になる?」危険物輸送の定義と禁止事項を整理します。

この記事の要点

航空法は、無人航空機による「危険物の輸送」と「物件の投下」を特定飛行として規制しています。危険物とは爆発物・高圧ガス・引火性液体など、墜落時に被害を拡大させる可能性がある物を指します。

物件投下は農薬散布を含み、原則として国土交通大臣の承認が必要です。

ただし、農薬散布は農薬取締法等の関連法令を満たした上でDIPSへの承認申請を行えば実施できます。また、宅配ドローンは「物件を目的地に届けること」であり、物件投下とは性格が異なります。

ドローンを使った農薬散布や宅配が広がる中、「危険物輸送」「物件投下」という規制の枠組みを正確に理解することが求められます。農薬散布が物件投下に該当するか否かは学科試験でも問われるポイントです。

ザックリ言うと、「危険なものを積んで飛ぶこと」と「上空から何かを落とすこと」は原則禁止。農薬散布もこの「落とす」に当たるため承認が必要です。

危険物輸送の規制

航空法は、爆発物・高圧ガス・引火性液体・毒物・放射性物質など、墜落・事故時に被害を拡大させる危険性がある物の輸送を特定飛行として規制しています。これらの危険物を搭載してドローンを飛行させるには、国土交通大臣の承認が必要です。

主な危険物の例:

  • 爆発物(花火・火薬類など)
  • 高圧ガス(ガスボンベなど)
  • 引火性液体(ガソリン・灯油など)
  • 毒物・劇物
  • 放射性物質

なお、ドローンの動力源となるバッテリーリポバッテリー)は機体の一部として扱われ、危険物輸送の対象外です。

物件投下の規制

「物件投下」とは、飛行中のドローンから物を地上・水面に向けて落とす行為をいいます。農薬・肥料の散布、水の放出なども物件投下に該当します。

物件投下は特定飛行であり、国土交通大臣の承認が必要です。

農薬散布との関係

農業用ドローンによる農薬散布は、物件投下に該当します。農薬散布を行うには次の条件を満たす必要があります。

  • DIPS2.0での物件投下の承認申請
  • 農薬取締法に基づく適正な農薬の使用
  • 農薬ラベルに記載された使用方法の遵守
  • 操縦者の適切な技能(農薬散布用の訓練を受けることが推奨される)

宅配ドローンとの違い

宅配ドローンは荷物を目的地まで運び、地上に着陸または安全な方法で降ろす行為です。物件を飛行中に意図的に落下させる「物件投下」とは性格が異なります。

ただし、配送の過程で物件を上空から落下させる方法(パラシュート投下など)は物件投下の承認が必要となる場合があります。

物件投下(水・農薬等の液体・霧状のものの散布を含む)の定義については、無人航空機の飛行の安全に関する教則(下図)で確認できます。

物件の投下の定義(国土交通省 無人航空機の飛行の安全に関する教則 第4版 p.17):水・農薬等の液体・霧状のものの散布も物件投下に含まれる。係留飛行の例外規定
出所:国土交通省「無人航空機の飛行の安全に関する教則 第4版」(2026年2月)p.17 物件の投下の定義:物件の投下とは飛行中に物件を地上に向けて投下する行為。水・農薬等の液体・霧状のもの(農薬散布等)の散布も物件投下に含まれる。ただし係留して飛行する場合や一定の条件下では例外規定が適用される。

特定飛行としての整理

行為特定飛行必要な手続き
危険物(爆発物・高圧ガス等)の輸送該当DIPS2.0で承認申請
物件投下(農薬散布・水の放出等)該当DIPS2.0で承認申請+関連法令の遵守
宅配(着陸して荷物を降ろす)原則非該当他の特定飛行条件による
機体バッテリーの搭載非該当不要(機体の一部として扱う)

混同しやすい用語

危険物輸送:爆発物・高圧ガス・引火性液体等の危険物をドローンに積んで飛ばすこと。特定飛行として承認が必要。

物件投下:飛行中のドローンから物を地上・水面に向けて落とす行為。農薬散布・肥料散布を含む。

特定飛行として承認が必要。

農薬散布:農業用ドローンによる農薬の散布。物件投下に該当し、DIPS承認+農薬取締法の遵守が必要。

学科試験対策|管理人の一言

「農薬散布は物件投下に該当する」「バッテリーは危険物輸送の対象外」の2点は頻出です。また「危険物輸送と物件投下はどちらも特定飛行であり承認が必要」という共通点も整理しておきましょう。

一問一答

Q1. 航空法上の「危険物」に該当するものを2つ挙げよ。

A1. 爆発物(火薬類など)、高圧ガス(ガスボンベなど)。他に引火性液体・毒物・放射性物質なども該当する。

Q2. 農業用ドローンによる農薬散布は、航空法上の「物件投下」に該当するか。

A2. 該当する。物件投下として特定飛行に分類され、DIPS2.0での承認申請が必要。

農薬取締法等の関連法令も遵守しなければならない。

Q3. ドローンに搭載するリポバッテリーは危険物輸送の規制対象か。

A3. 対象外。機体の動力源として機体の一部と扱われるため、危険物輸送の規制は適用されない。

まとめ

危険物の輸送と物件投下はどちらも特定飛行であり、DIPS2.0での承認申請が必要です。農薬散布は物件投下に該当し、農薬取締法等の関連法令の遵守も求められます。

宅配ドローンは荷物を安全に届ける行為であり物件投下とは異なります。機体のバッテリーは危険物輸送の対象外であることも押さえておきましょう。

関連記事:特定飛行の種類は? DIPS2.0の申請とは? カテゴリー飛行の分類は?

参考資料

・航空法(昭和27年法律第231号)

・小型無人機等飛行禁止法(平成28年法律第9号)

・電波法(昭和25年法律第131号)

・国土交通省 無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール

この記事を書いた人

ソラタ

30代。二等無人航空機操縦士の技能証明取得を目指して勉強中。学科試験で詰まったポイントを整理してお伝えします。